はじめに
外国投資者の中国に対する投資形態として、従来は企業新規設立(いわゆる「緑地投資」)との方式が圧倒的であったが、ここ数年間は中国の規制緩和並びに法律の整備等を受けて、国際的に主流であるM&A方式が多く用いられるようになり、且つその勢いは増す傾向にある。
外国投資者による中国国内企業のM&A(以下「外資買収」と略す)に関する現行の法規定のうち、中国対外貿易経済合作部(現商務部)、国家工商行政管理総局、国家税務総局及び国家外貨管理局が2003年3月7日に公布した「外国投資者による国内企業買収の暫定規定」(以下「暫定規定」という)が最も代表的なもので、外資買収における実体及び手続き的な問題を網羅的に規制している規定であることから、指針的なものとして高い評価を受けている。但し、買収対象企業の異なる態様に応じて、上記暫定規定のほかにもいくつかの行政法規、部門規則が並存しており、それらの規定の関連性が必ずしも明確ではなく、場合によっては全体的に整合性が欠けているところが見られるため、中国における外資買収の全容を把握することは必ずしも容易ではない。本文は、上記「暫定規定」を中心に展開すると同時に、これに関連するその他の特別規定にも触れながら、中国における外資買収の全体を解析することを試みる。
(次週に続く)
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