中国における外国投資者によるM&AB

嘉華(北京)法律事務所
弁護士 問 小牛

一、中国における外資買収の一般的態様

  3、買収の条件

外資買収は、信義則、社会経済秩序及び公益の維持などの一般的原則を遵守すると共に、中国の外資導入産業政策に合致することが求められ、具体的には「外商投資産業指導目録」[1] の定める外資参入の規制に従うものとされる(例えば、外資参入禁止類産業に属する内資企業の買収は不可とされ、また中方出資者の持分支配が要求される産業では、外資買収後においても中方出資者の持分支配が維持されなければならない)。

 4、買収後の企業の分類

中国では従来、外資比率が25%を下回る外商投資企業の存在は通常認められなかったが[2] 、対外貿易経済合作部、国家工商行政管理総局、国家税務総局、国家外貨管理局が2002年12月30日に公布した「外商投資企業の審査認可、登記、外貨及び税収管理の強化に係る問題に関する通知」はそれを認めるようになり、「暫定規定」もその方針を踏襲した。買収後の企業は、25%という外資比率を境に分類され、いずれのほうも外商投資企業として見なされるが、外資比率が25%未達の企業は外商投資企業に対する税務面での優遇措置を受けることができない(但し、外貨口座の開設、輸出入経営権及び海外からの資金調達など、外商投資企業に対するその他の優遇措置に関しては、25%未達の企業にも同様にそれらが認められている)。

 5、買収価格の確定

外資買収に当たって、買収側及び対象会社は、取引の対象となる持分または資産について価値評価を行い、当該価値評価の結果に基づいて買収価格を決定することが義務付けられている(買収が国有資産に係る場合は、国有資産管理の関連規定に従って資産評価を実施するとされる)。なお、中国国内資本の海外への不法な移転を防止するため、価値評価額を著しく下回る価格での外資買収は禁止とされている。
 ここで一つ注目に値するのは価値評価方法の確定である。異なる価値評価の方法によって、評価結果には大きな差が生じうることから、評価方法の確定をめぐり、中外双方に意見の隔たりが発生することは従来からよく見られる。これについて、「暫定規定」は「国際的に通用する価値評価方法を採る」との原則を確立し、外資誘致における一つ大きな前進を示している。


[1] 国家発展計画委員会、国家経済貿易委員会、対外貿易経済合作部2002年3月11日公布、2004年11月30日改正

[2] 外資比率が25%未満の企業に対する扱いは従来明確ではなかったため、そのような企業が内資企業として各地の工商行政管理局に登記されるケースが、法規定違反ではありながら実務上よく存在する。

 

(次週に続く)

 

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