中国における外国投資者によるM&AC

嘉華(北京)法律事務所
弁護士 問 小牛

一、中国における外資買収の一般的態様

  6、買収対価の支払い

@ 支払い時期

異なる買収方式に応じて、買収対価は持分譲渡金、増資金及び資産購入金との三つの形態に分類できる。各形態の買収対価の支払い時期はそれぞれ以下の通りとなる。

a.上記2.@.aの方式によって外資買収が行われる場合、外国投資者は、外商投資企業営業許可証の発行日より3ヵ月以内に、譲渡側に対して買収の対価(持分譲渡金)を全額支払わなければならず、延長が必要な場合は、外商投資企業営業許可証の発行日より6ヵ月以内に持分譲渡金の60%以上を、その残額を一年以内に支払うものとする。なお、外国投資者は実際支払った持分譲渡金に応じて利益配当を受けるものとされ、また、持分譲渡金の支払い済みまでに、買収対象企業の経営決定権を取得できず、且つ買収対象企業における自らの権益、資産を連結決算の対象としてはならない[1]
 なお、中国の外貨管理部門は持分譲渡金の支払いに対して監督を実施する。具体的には、持分譲渡金の支払いが完了した後5日以内に、譲渡側所在地の外貨管理部門にて持分譲渡に係る外貨収受登記手続きを行うことが義務付けられ、同管理部門の発行する「外資外貨登記証明」を以って、譲渡金の支払いが確実に行われたものと見なされる
[2]

b.上記2.@.bの方式によって外資買収が行われる場合、外国投資者は買収対象企業に対して一定期間内に増資金(買収の対価)を払い込まなければならない。増資金を一括にて払い込む場合は、外商投資企業営業許可証の発行日より6ヵ月以内に完了するものとし、分割にて払い込む場合、第一回目の出資は引き受けた増資額の15%を下回ってはならず、且つ外商投資企業営業許可証の発行日より3ヵ月以内に行われるものとする。

style="text-indent: -20; line-height: 150%; margin-left: 50"> c.上記2.A.a及び2.A.bの方式によって外資買収が行われる場合、外国投資者は、外商投資企業営業許可証の発行日より3ヵ月以内に、資産を譲渡する内資企業に対して買収の対価(資産購入金)を全額支払わなければならず、延長が必要な場合は、外商投資企業営業許可証の発行日より6ヵ月以内に資産購入金の60%以上を、その残額を一年以内に支払うものとする。
 なお、当該二つの方式において、新規設立される外商投資企業の定款(中外合弁経営企業の場合は合弁契約も含む)に出資金の払い込み期限を定める必要があり、また、2.A.a方式において、資産購入金と同額の出資金部分については、資産購入金の支払期限内に振り込まれることが求められる。

A 支払い方式

外国投資者が自己保有の国際的に流通する外貨を以って買収対価を支払うのが最も一般的であるが、外貨管理部門の認可を受けた上、以下の支払い方式を採ることも認められる。

a.外国投資者がその投資したその他の外商投資企業から受けた人民元配当。

b.外国投資者がその投資したその他の外商投資企業から回収した投資、並びに清算、持分譲渡、減資による所得。

c.外国投資者が処分権を有する株。

d.その他の合法的財産。


[1] これについては、「暫定規定」のほか、「外商投資企業の審査認可、登記、外貨及び税収管理の強化に係る問題に関する通知」にも同様な規定が設けられている。

[2] 「外商直接投資における外貨管理の改善に係る問題に関する通知」(国家外貨管理局2003年3月3日公布、同年4月1日より施行)第4条参照。

 

(次週に続く)

 

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