中国における外国投資者によるM&AE

嘉華(北京)法律事務所
弁護士 問 小牛

一、中国における外資買収の一般的態様

  8、買収の手続き

外資買収の手続きとしては、まず外国投資者と内資企業の現有出資者(持分譲渡による買収の場合)、または外国投資者と内資企業(増資引き受け及び資産による買収の場合)との間で買収に関して一致に達し、持分譲渡協議書、増資引受け協議書若しくは資産購入協議書を締結の上、審査認可機関(商務部または省レベルの商務局)に対し申請をなし、30日間の批准期間中に認可を受けた場合は、「外商投資企業批准証書」の発行を受け、それから30日以内に工商行政管理部門にて変更登記(持分買収の場合)または設立登記(資産買収の場合)の手続きを行うものとする。
 なお、上記持分譲渡協議書、増資引受け協議書及び資産購入協議書はいずれも中国法律の適用を受けるという点に注意する必要がある。

 9、買収後の企業の分類

企業買収に伴う独占との問題は世界各国において共通して重要視される。中国では独占問題を専門的に規制する「独占禁止法」が現段階で制定されておらず、そこで、外資買収において発生しうる独占との問題に対して、「暫定規定」は「独占禁止法」の代わりにある程度規制し、独占誘発の恐れがある外資買収について、報告及び審査制度を設けている[1]
 「暫定規定」によると、外資買収が下記状況の一つに該当する場合、外国投資者は商務部及び国家工商行政管理総局に対しまず報告を行わなければならない。

@ 買収当事者一方 の中国市場における当年度の販売額が15億人民元を超えた場合。

A 外国投資者が一年以内に買収した中国関連業界の企業数が10社を超えた場合。

B 買収当事者一方の中国におけるマーケティングシェアが20%に達した場合。

C 買収を通じて、買収当事者一方の中国におけるマーケティングシェアが25%に達すると見込まれた場合。

D 競争関係にある国内企業、関連職能部門或いは業界協会からの要求があり、且つ商務部若しくは国家工商行政管理総局が、買収の及ぶマーケティングシェアが巨大で、または市場競争或いは国家経済安全を厳重に脅かすその他の重要な要素が存在すると認めた場合。

上記@ないしDの状況が存在する外資買収について、商務部及び国家工商行政管理局が、当該買収によって市場が高度に集中し、正当な競争が妨害され、消費者の利益が損なわれる恐れがあると認めた場合は、共同若しくは単独で関係部門、企業その他の関係者を召集して公聴会を開き、それに基づいて買収の認否を決定する(この場合の審査認可期間は90日とされる)。
 また、上記国内買収以外に、「暫定規定」は中国域外で行われる中国国内市場に影響を及ぼしうる外資買収についても、一定の規模に達したもの
[2]に対して、類似の報告、審査制度を設けている点に注意が必要である(域外外資買収に対する審査の場合、公聴会開催の有無について条文上明確な規定がなく、実際の処理に当たっては審査機関の判断によることになると思われる)。


[1]  但し、市場の公平な競争条件、環境を改善できるなどの外資買収については、商務部及び国家工商行政管理局に対して審査の免除を申請できるとされる。

[2]  買収の当事者一方には、外国投資者の関連企業も含まれるものとする(以下同様)。

 

(次週に続く)

 

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